喜入基地は、日本初となるタンカー排出ガス処理設備(Tanker Vapor Recovery System(TVR))を2007年に建設しました。
これまで、タンカーへ原油を積み込む際にタンカー内のガスが大気中に放出され、周辺地域への臭いの原因となっておりましたが、この設備によりガスを回収し臭いを完全に除去可能となりました。また、回収したガスを原油に吸収させ、エネルギーとして再利用しております。
このようにガスを直接原油で吸収する方法はENEOSグループが世界で初めて実用化した仕組みであり、環境対策とエネルギーの有効活用に大きく貢献しています。
<タンカー排出ガスの処理の仕組み>
① 原油をタンカーに積み込む際にタンカーから排出されるガスを収集し、吸収塔に送り込みます。
② 原油タンクから、原油を吸収塔に送り込みます。(原油は、原油タンクと吸収塔間を循環させます。)
③ 吸収塔の中でガスと原油を接触させることによって、原油にガスが吸収され、エネルギーとして回収されます。
④ 原油に吸収されなかったガス(臭気成分を含む)は、グランドフレアで燃焼分解します。
ごく僅かな油も見逃さない排水処理設備です。
喜入基地構内を経由した雨水などの排水は、ろ過・吸着等を行います。この設備により油は完全に除去され、錦江湾の美しい海を守っています。
<5段階にわたる排水処理>